── なぜ1Gbpsなのに100MB/sしか出ないのか
LANや回線の説明でよく出てくるのが、
- 1Gbps
- 10Gbps
といった 理論速度 です。
一方で、実際にファイルをコピーすると、
- 100MB/s前後
- せいぜい120MB/s程度
という表示を見ることが多く、
「話が違う」と感じやすいポイントでもあります。
このズレは、
仕様どおりであり、異常ではありません。
結論から
- 理論速度
→ 規格上の最大値 - 実効速度
→ 実際に使える速度
LANや通信は、
最初から理論速度どおり出る前提では作られていません。
理論速度とは何か
理論速度(例:1Gbps)は、
物理的に
その通信路が持つ最大帯域
を示しています。
これは、
- エラーなし
- 混雑なし
- 制御情報なし
という、
理想条件での上限値です。
なぜ実効速度は下がるのか
通信には、
必ず「本体以外の情報」が含まれます。
1️⃣ プロトコルのオーバーヘッド
LAN通信では、
- Ethernet
- IP
- TCP
といった
複数の制御情報が
データに付加されます。
👉
全部が純粋なデータではない。
2️⃣ 単位の違い(bps と Byte)
ここもよく混乱します。
- 理論速度:bps(ビット)
- 実効表示:B/s(バイト)
1Byte = 8bit
1Gbps ÷ 8
→ 約125MB/s
これだけで、
数字は一気に小さく見えます。
3️⃣ 機器側の処理待ち
- CPU処理
- ディスク書き込み
- 割り込み処理
LAN以外の部分で
待ちが発生すると、
速度は簡単に頭打ちになります。
1Gbpsで100MB/s前後は正常
1Gbps環境で、
- 90~110MB/s
程度出ていれば、
ほぼ理論限界に近い状態です。
「遅い」のではなく、
十分に出ていると判断してよい数値です。
実効速度がさらに落ちるケース
次のような場合、
さらに速度が下がります。
- 無線LANを経由
- NASやHDDが遅い
- ルータやスイッチが非力
- 同時通信が多い
ここでは、
LAN規格ではなく
周辺構成が支配的になります。
高速LANでも実効速度は比例しない
2.5Gbpsや10Gbpsにしても、
- ディスクが追いつかない
- CPUが処理しきれない
といった理由で、
実効速度は比例して伸びません。
これは、
LANだけを速くしても意味がない
典型例です。
実効速度が重要になる場面
実効速度を気にすべきなのは、
- NAS間コピー
- サーバー間転送
- バックアップ
- 仮想環境
といった
LAN内部で完結する処理です。
インターネット利用では、
相手側が先に制限になります。
規格は「保証値」ではない
LAN規格は、
- これだけ出ます
という保証ではなく、
ここまでは
設計上可能です
という
設計上限です。
この考え方は、
- メモリ
- ストレージ
とも共通しています。
まとめ:数字は天井を示している
- 理論速度
→ 天井の高さ - 実効速度
→ 実際の到達点
LANを見るときは、
「どれだけ出るか」より、
何がボトルネックになっているか
を見る方が、
判断を誤りにくくなります。


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